多頭飼いのケースは参考にならない

風来坊

『とにかく鳥には緊張感が必要なの!!』
と、鳥専門の獣医であるN先生に言われ

言ってることはなんとなくわかるけど、
イマイチ《なぜそうなのか》というところまでは深く理解できていなかったあの頃。
けれど、今ならとってもよくわかります。

なぜ鳥には緊張感が必要なのか。

答えは、
そういう身体の構造をしているからです。
もっと言うと
そうプログラムされている生命体だから
そんなふうに表現してもいいと思います。


元来《家》というものを持たない鳥は、
あらゆる危険に晒されているのが当たり前な状況で生活してきました。
捕食者、雨、風、夏の暑さ、冬の寒さ、あらゆる人工物、その他いろいろ。
そういったものに常に警戒(緊張)しながら生命を育んできたんです。

どんな事象に見舞われても《隠れる》という選択肢を選ばずここまでやってきたのが鳥。
彼らの身を守る手段は常に《飛んで逃げる》です。
そうやって、飛んで逃げるという行動に合わせて身体も進化してきたんです。たぶん。

『鳥には緊張感が必要』と言うよりも
緊張感のあるところで生活するように身体がプログラムされている。
そう考えたほうがわかりやすいですね。
まず緊張感在りきなのです。
緊張しなければならない環境(自然界)が先に存在していて、そこで生活することを鳥が選んだ。
そしてDNAがそのように構築されていった。

鳥の感覚は朝から晩まで四六時中研ぎ澄まされていて
物音がしたり、何かの気配を感じると
すぐに身構えて警戒するようにプログラムされています。
それが正常な動きであり正解なんです。
なので緊張感は、《必要》ではなくてもはや《必須》に近い気がします。

ヒトという生命体にはそういったプログラムが施されていない。
むしろ真逆のものが組み込まれてる。
危険なものから身を守るには、外部をシャットアウトして安全な空間に隠れましょうと。
だから、常に緊張してるなんて身体を壊すんじゃないか、負担が大きいんじゃないかって
心配になってしまうのですが、鳥にとってはいらぬ気遣いということになります。

・過発情
・肥満

この2つの問題は、確実に緊張感のないところで鳥を生活させていることによる弊害です。
プログラムが正常に働いていないのです。



前置きが長くなりましたが、タイトルである
『多頭飼いのケースは参考にならない』ということについて話をします。

多頭飼いと言うのは1羽飼いとは環境が全然違います。
緊張感のある生活が、自然と発生している可能性が高い。

大勢でわちゃわちゃガチャガチャ暮らしていれば
そりゃ1羽〜2羽程度でのんびり生活しているよりも
落ち着かないし、気は散るし、生存競争の意識も芽生えたりするでしょう。
日々起こる出来事が、鳥に良い緊張感をもたらしているケースも多いかと思います。


緊張感は、発情問題だけではなくて肥満という問題に対しても必須事項です。

1羽飼いはとにかく緊張感が薄い環境にいるから、もし肥満を防止したかったら、
餌の与え方を気遣うほかに、運動するということが絶対に欠かせません。
運動は、ただ遊ばせたり歩かせたりするのとは違いますよ。
運動=勢いよく飛ばせること、です。
これをなくして食事療法のみで鳥をダイエットさせるなんて、かなり難易度が高いです。
必ずリバウンドしますし、早食いするようになります。

多頭飼いでも慣れきった環境でぼんやりと生活してれば
1羽飼いとたいして違いないかもしれませんが、
やっぱり身の回りの騒々しさは、1羽飼いとは違うでしょう大概は。

そのため、多頭飼いしている人のアドバイスを受けてもあまり参考にはならないのです。
餌の与え方ひとつ、1羽飼いとは気にかけるべき部分が違う。

一般的な飼育書は、基本的に鳥好きな人の話を参考に構成されているでしょうから
多頭飼いしてる著者さんの体験を元に書かれているものが多いのでは…思います。
またそういった著者さんたちは、鳥好きが高じて巣引きなどもしているかもしれません。
そうなると、発情問題に対しても向き合い方が全然違ってきます。

今ではわたし、飼育書はメス鳥を健康的に飼うには何ひとつ参考にならないだろう…と感じてます。
特に専門書よりもペットの雑誌系。
趣味で気軽に読む程度なら全く問題ないと思いますが、参考にするのは少々危険。

誰か、1羽飼い向けの正しい飼育書、書いてくれないかぁ〜。
ちゃんと医学の知識がある人の。

N先生…。
もっとN先生の話を聞きたかった、と常々感じる今日このごろ。
先生みたいな方が、本を出してくれれば…と願ってやみません。

※1羽飼いというのは、必ずしも1羽で飼ってるケースだけを指すわけではありません。
2羽でも3羽でも、与えてる環境が1羽飼いと同じであれば、多頭飼いとは違う見方が必要です。









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Posted by風来坊

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