家を持つ者と、持たない者

風来坊

前回の巣の話に引き続き、今回も発情対策についての考察です。
獣医から聞いた話をベースに、私なりに解釈したものを書きます。


基本的に間違った飼育方法というのはないと思っています。
どんな飼育方法を採用するかは飼い主の自由ですし、
個体によって飼育の仕方もそれぞれ違ってくると思うので。
(もちろん最低限のお世話をするのは当然として。)

けど、《間違った発情対策》というのは確実にあります。
発情を抑えたいのに抑えられていなければ、実施している対策には修正が必要だということ。

ひとつ言えることは、飼い主側が楽しい(もしくは楽)と思える発情対策は
ひとつも効果ナシと考えたほうが良いということです。
発情対策は総じてしんどいもの。
つらくて厳しい対策を、いかに楽しむことができるか…という考え方はあったとしても。


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どうして発情対策がしんどいかというと、
それは飼い主が視点を180度変えないとならないからです。

人間の生活環境と鳥の生活環境はもともと全く別物なので、
視点をわざわざ変えない限り、理解できません。
だからしんどいのです。


人間は、原始時代のころより安心できる場所で心と体を休めてきました。
大昔は洞窟や洞穴のようなところで、文明が発達してからは家の中で。

しかし、鳥はどんなに怖い敵がいても激しい雨風に見舞われようとも
どこかにこもろうとはしません。
家を持たないんです。

木にとまって休んでいるのは、そこがただ単に安全な場所だからであって、
安らぎを得る目的ではないんですね。

だから鳥にとって
安全な場所は必要でも安心できる場所は必要ないのです。
安心できると、そこは巣と化します。


でも人間には安心感が必要ですよね。
心や体が疲れていれば、家の中でゆっくりします。
そうやってくつろぐことで、元気を取り戻します。
だから、ついつい鳥にも安心を与えてやることが良いことだと考えてしまいます。
それが害になるなんて、なかなか思えないのも無理はありません。


しかし、発情対策を本気でやるのであれば、ここの意識改革が絶対必要になってきます。
人間が楽しい(もしくは楽)と思える時点で、まだ視点は変えられていません。
飼い主視点のままです。

例えば夢中になれるおもちゃを与えてみるとか、
鳥の気が紛れるように好きなことして遊ばせるとか
そういった対策方法は効果ないどころか、逆に発情促進させる可能性が高いです。


人間が自然に考える『良いこと』は、鳥にとってほとんどダメだから、
発情対策をやろうと思うとしんどく感じるのは当然なんです。
歩く歩道を、流れとは逆の向きに歩こうとするのと同じです。


一番双方が無理なく楽しめる対策方法は
恐らく一緒にお出かけをすることだと思います。
一緒に散歩すれば飼い主も楽しめるし
鳥にとっても良い緊張感を与えることができるので。

それでも、帰宅してケージに戻してしまえばまた何かしらの対策が必要なので
お出かけすればOKかというと、そうではありません。


人間が鳥にしてやらなければならないことは、
安心できる場所を与えるのではなくて、安全な場所を用意してあげること。


そもそも安全な場所ってなに?
と追求すると、《危険な場所ではない》ということになります。
危険な場所ではないと思わせるには、
同時に危険もまた感じさせないといけません。
危険を知って初めて危険じゃないということがわかるので。

それが、前回の外敵の話に繋がります。
危険とはまさに外敵のこと。


つまり、メス鳥が発情しないで健康的に生きるには
何を置いても外敵の存在が必要不可欠ということですね。

飼い主は、
《優しくてだ〜い好き!な飼い主》と
《外敵であるカラス》
の役を2つ同時にこなさないといけません。


厳しいですね、発情対策。
でも諦めれば発情に繋がる可能性が高いので、やめるわけにはいきません。

家を持たない者を、家の中に住ませるのはなかなか骨の折れること。
けど、そういう視点でみてみると、発情対策のコツもなんとなく掴みやすくなるんじゃないかなって、
そう思います。










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Posted by風来坊

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