すべては巣があることから

風来坊

日本全域の話だったか都内の話だったかは忘れましたが、
いまスズメの数が減っているそうです。

その原因は、

ー巣を作れる場所が減っているから。

ちゃんとした調査結果が出されています。

巣はたまごを産むための場所なので、巣を作れなければ繁殖は起こりません。
鳥は人間と違って、繁殖できる環境がなければ発情はしません。


例え発情相手がそばにいても
子育てするのに適した気温でも
豊富に食糧のある環境でも
巣がなければ、発情は絶対にしないのです。

すべては巣があることから始まります。



では、巣を作れる場所って、どんなところでしょう。

上にあげた条件たちの他に、もうひとつ
《外敵に見つからない》
というのが必須条件として加わります。
カラスとかトンビとか、野鳥であれば人間だってその対象になりますよね。

さて、巣を作る場所が見つけられないスズメたち。
確かに数は減っているものの、わずかな隙間を見つけては巣を作っているそうです。
それが今までだったら絶対に作らないような場所でも…です。
信号機の上に作られていたケースもあるとか。


『巣』というと、ぱっと思い浮かべるのは
木の枝を集めて作られたまんまるいカゴや巣箱だと思います。
そして場所は木の上だったり屋根裏だったり、
そういうところに巣があるとイメージを抱く人も多いでしょう。
けれど、それは違うそうです。


鳥たちは、条件が揃えばなんであれそこを巣だと思うらしいのです。


カゴの中のおもちゃなどは、どんなものでも
鳥たちが巣だと勘違いする可能性があるとのこと。
だからもし発情させたくないなら、おもちゃ類は一切抜かなければなりません。

野生の鳥は、おもちゃなんかで遊ばない。
だからケージから抜いたって、何の問題もない。
カゴの中に入れていいのは餌箱と水入れと止まり木だけ。

スズメたちは、木の上や屋根裏に巣を作れなくなってもどこにでも巣を作ろうとします。
飼い鳥だってそれは同じ。
私達飼い主の部屋の中には、巣を作れる条件がすべて揃っています。
何も対策をとらないで、発情しないワケがないんですよね。

放鳥したときの部屋の中にも必ず気に入った場所があるはずで、
それは1・2箇所どころじゃない、だいたい20箇所はある、と。
その20箇所の中にも優先順位があって、1番気に入ってる場所…2番めに気に入ってる場所…と、
優先順位の高い順番で居座るそうです。

飼い主は『あ、ここの場所を巣だと思っているな』と感じたら、
そこの場所を巣だと思わせない工夫をしなければなりません
バードジムなんかは、巣として格好の場所になるんだそうです。

ー以上が、獣医から聞いた話をそのまま書き起こしたものになります。


画像

※ケージの中、『巣』だらけだったころのビスコ



ここからは、その話を聞いて私が思ったことを書きます。


飼い鳥たちは錯覚の世界に住んでいると、私は思っています。


発情ってなんでするの?と考えたとき、それは子孫を残したいからです。
子孫を残すためにたまごを産みたいから発情します。

ということは、無精卵を産むという行動は本来ありえない《異常事態》ということになります。
子孫を残したいからたまご産むのに絶対に孵ることのないたまごを産む。
それってやっぱりオカシイ。
もともとの生態から外れた、歪んだ状況と言えると思います。

実際、それによって過剰産卵による卵詰まりや発情過多による病気が
そこかしこで起こっているのですから、決して大げさではないでしょう。
若いうちから病院通いしてる鳥さんたちはたくさんいます。


どうしてそうなってしまうのでしょうか。

人間の頭で考えれば、発情相手は同種のオスじゃなければ
有精卵を産めないんだということは容易にわかります。
でも鳥たちはそこまで思考が追いつきません。

本当なら、オスが存在していない時点で子孫を残せる条件は揃っていないハズなのに
それ以外のあらゆる条件が揃っているため
そうなんだと錯覚を起こしてしまい、発情するのです。
そして、その錯覚の世界に鳥を住ませているのは、紛れもなく私達人間です。

ただし、それはもう飼い鳥の宿命というか
カゴの中で飼われている時点でどうしようもありません。

ここまで突き詰めていくと、そもそも人が鳥を飼うということ自体
間違った行為なのだ、というところに行き当たってしまいます。
カゴに閉じ込めることが、鳥たちにとってどんなに不自然なことか。

けれど、ここで誤解が生じないように説明したいと思いますが、
なにも飼い鳥の存在に異を唱えようとか反対運動を起こそうとか、
そんな否定的な思いがあるわけでは、決してありません。

逆に、鳥を飼うというシステムとサイクルがこの世で回っている以上、
ちゃんと人間が飼ってあげて、お世話をし、1羽でも多くの鳥を
幸せに導いてあげなくてはいけない…私はそう思います。


ただし、何か問題が生じているのなら、
その飼い方は見直さなければなりません。


餌の量や気温の調節で発情対策をとるのはとても難しい。
餌を減らせば飢餓感が生まれるし、気温だって毎日違います。

なので、一番やりやすいのが外敵の存在を用意することです。


錯覚を起こしている鳥たちには、
錯覚で対応するしかありません。

外敵として、本物のカラスや鷹、ヘビなどを用意するのは不可能です。
用意できたところで、ほんとに食べられてしまう危険性があるわけですから、
使うことはできません。

となると、それらに相当する『恐怖感』を用意するしかありません。
(※獣医は緊張感をいう言葉を用いていました)
ほんとは命の危険なんかないけれど、鳥がそうだと感じるように工夫をしなければいけないのです。

錯覚を起こしている鳥を、錯覚によって修正する。

そう思えば、怖がらせることや鳥をぬくぬくさせないことが苦痛に感じることはなくなります。
錯覚を抱かせたまま生活させてることのほうがよほど可可哀相だし、
鳥の気に入ってる場所は危険なんだとすら思えてきます。

『巣をなくす』

そういう意識を持つようになってから、私は前より発情対策がつらくなくなりました。
それでも、やっぱり大変は大変ですけどね。



※これらの話は、あくまで健康なメス鳥の発情対策…という視点から見て書いたものとなります。
オス鳥や病鳥はまた違った話になると思いますので、あしからず。







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Posted by風来坊

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